ビタミンAは美白剤であるハイドロキノンをともに使用することで、シミ、とくに肝斑に対して非常に高い治療効果があります。
肝斑は左右対称性にできる、境界が比較的はっきりしたシミです。30歳台~40歳台に多く見られます。肝斑は女性ホルモンの分泌と深い関係があるといわれいます。妊娠をきっかけにできたり、経口避妊薬で出来る場合もありますが、5割は紫外線が関係しています。
肝斑がよくできる場所は、紫外線が多くあたる前額、頬骨部、上口唇、下顎です。左右対側性に境界のはっきりした褐色のシミを生じ、目の周囲が抜けるのが特徴です。困ったことに、肝斑はほかのシミと違いレーザー治療が効きません。それどころか、レーザーを使用するとシミが濃くなるということが起こります。そこで、ビタミンAとハイドロキノンを治療に使うわけです。ハイドロキノンは効果の高い美白剤ですが、単独で用いても肝斑には効果が出ないことがよくあります。このハイドロキノンとビタミンAを組み合わせることで非常に高い治療効果が発揮できます。
※ハイドロキノンは、化粧品に多く用いられる美白成分である、アルブチン、ビタミンC誘導体、コウジ酸などの100倍の美白効果があると言われている成分です。刺激が強いことから化粧品への配合は禁止されていましたが、2000年の規制緩和により化粧品にも配合されるようになりました。通常化粧品に配合されているのは1~2%で、皮膚科で処方されるものは5~10%になります。
ビタミンA&ハイドロキノン療法は、1)漂白期と2)治癒期に分かれます。
治療開始4~6週目ではトレチノインおよびハイドロキノンクリームを併用し、表皮メラニンの排出を促します。多くの場合は治療開始後2~3日のうちに皮膚が紅くなる皮膚炎症状と、ターンオーバーの促進により皮膚の皮がうすく向ける状態がみられます。
シミが消失あるいは軽減した段階で治癒段階に移行させます。ビタミンAのみを中止しハイドロキノンのみを広範囲に外用します。
このように、ビタミンAとハイドロキノンはレーザーが無効なシミを効果的に治療することができます。しかし、この治療にも少なからず弱点があります。ビタミンA(トレチノイン)は光や熱による安定性が悪く、冷蔵庫あるいは冷凍後に保存しなければなりません。また。「レチノイド皮膚炎」といって、外用した部位が赤くなり皮膚がポロポロむける皮膚炎は避けることができません。逆に、このようは反応がないと効果も期待できません。 このほかに、トレチノインには内服において動物実験で催奇形性の報告があります。ただし、外用剤では吸収され血中に入る量が非常に微量であるため、催奇形性は非常に低いと考えられます。実際、米国のFDA(米国食品医薬品局)の認可のもと、北米では、トレチノインが若い男女のニキビにもっとも効果がある薬として繁用されています。 しかし、皮膚科医の間では妊娠可能な女性にはトレチノイン使用中は、万が一胎児に影響を与えることのないよう避妊を指導しています。
エステサロンなどの宣伝の影響か、シミ=レーザーで消える、と思っている方も多いかと思いますが、肝斑などシミの種類によっては悪化させてしまう場合もあります。あなたのシミがどのタイプかは、専門医でないと見分けにくい場合もありますので、なるべく皮膚科医など専門家に相談しましょう。
皮膚炎や皮膚がむけるなどの症状を伴わずにシミを解消したい、という方は美白用の化粧品を使ってみるのもいいでしょう。即効性はありませんが、使い続けているうちに効果が出る場合もあるかと思います。また、でき始めのシミにも手軽に試せるこれらの化粧品はおすすめです。
2006年9月1日 TOYOFUKU
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