UV-B(紫外線B波)は日焼け後の色素沈着を起こすほか、表皮の基底細胞に働き、皮膚癌の発生に関与しています。一方、UV-A(紫外線A波)は表皮を突き抜け、真皮の深部に到達するため、皮膚にハリを与える線維成分を変性させ、シワやたるみの原因をつくります。

下図は年齢により真皮のコラーゲン線維の様子です。赤で囲んだ部分はコラーゲンを表し、年齢とともに、コラーゲンが変性していくのがわかります。変性したコラーゲンはもはや皮膚の弾力を保てなくなり、皮膚のたるみ、シワ、毛穴の開きの原因となります。

私のクリニックでは、近所に総合大学があり、そこの学生さんもよく診察にいらっしゃいます。
なかには、まだ3月なのに、皮膚が小麦色の男性女性がいらっしゃる。聞けば、「黒い肌のほうがカッコいい」、「体が痩せて見える」そうです。
しかし、日焼け願望は日本人だけではありません。本来紫外線を防御するメラニンが少ない白人もよく日光浴をします。日光浴の源は、低緯度地域の白人が紫外線のはたらきで、ビタミンDをつくることにあります。しかし、現在では食事によるビタミンDの摂取プラス日常生活での日光への曝露で、十分なビタミンDを得ることができます。
私がカナダに留学していたころ、皮膚科にポーランド系カナダ人の女子医学生がサマージョブに来ていました。ある夏の日に、真っ黒に日焼けして病院へ来たので、どうしたのか聞いてみると、2日間にわたり湖で日光浴をしたといいます。彼女は医学生で紫外線の知識が十分にあるのに、なぜだろうと思ってきいたところ、日焼けした肌は、「お金持ち」に見えるのだそうだそうです。日焼け→サマーバカンスができる→お金持ちという発想らしいのです。

日本では、日焼けサロンで手軽に効率よく日焼けするようです。日焼けサロンでの機械が発生する紫外線はほとんどがUV-Aであり、発癌性はほとんどありません。しかし、UV-Aは皮膚の老化を促進させます。紫外線の老化は数年から十数年後に現れます。日焼けサロンでの日焼けは考えものです。
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